レシピの本によって書いていることがまちまちで、、、
本には載っていないけど、、、
おかし作りが得意な人に聞いたんだけど、、、
本当かどうだかわからないけど、
お菓子作りをしていく中で不安要素を作ってしまう「疑問」。
そんなレッスンでよく訊かれる質問を集めた【お菓子作りQ&A】です。
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今回の疑問はこちら。
Q.粉は2回ふるった方が良いですか?
A.ほとんどのお菓子は1回で充分です。
この質問は本っ当によく訊かれます!!!
私も学生時代にはお菓子作りの本を読みながら、
ケーキを作っていましたからわかりますが、
まぁまぁ、2回ふるいましょう!って書いていますよね。
あとはネットでも「お菓子作りは繊細です。粉は2回・・・」みたいなコメントも。
20年間、お菓子作りをしてきた経験からお答えします。
「そのケーキの失敗、粉を2回ふるわなかったからじゃありません」
ど真ん中突いてごめんなさいね。
粉のふるった回数が、そのまま失敗に繋がるなんて私の経験上一度もありません。
失敗の原因は他にありますよ。わはは。
ただ大事な事はあります。
ふるった後にその粉を触らないこと。
紙やボールにふるってふんわりと空気を含んだ粉を触ったり動かしたりして、
潰したり空気が抜けてしまうような事はやめましょう。
上の写真のように、ふるって自然に山になった状態で放置します。
それと、ほとんどの場合、と書いたのは、
例外的にマカロンなどは2回ふるったほうが良いのでそう書きました。
もう一度言います。
粉は2回ふるわんでヨロシイ!!!
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どうしてこんな都市伝説みたいな常識が当然のようになっているのでしょうか。
こういうことを考えるのが大好きなので、
面倒臭がらずにぜひ読んでいってください。
お料理っておばあちゃんからお母さん、お母さんから娘へと、
代々台所で受け継がれていくものがあるじゃないですか。
例えば、
調味料はさしすせその順に入れるのよ、とか、
根菜は水から、葉物はお湯から茹でるのよ、とか、
お味噌を溶いたら沸騰させちゃだめよ、とか。
そういう「作り方」じゃなくて「コツ」みたいなもの。
私はこの「コツ」こそが全てにおいて一番大事!だと思っているんです。
だって「作り方(レシピ)」なんてこの世の中に無数に存在するのですよ。
材料が違っても、分量が違っても、美味しい料理は存在するのだから、
美味しいか美味しくないかは「作り方(レシピ)」は関係ないのでは?
と思い始めたのです。
(もちろんレシピの違いによる味の好みってのはありますね)
だからお料理って、
めちゃくちゃ苦手!作れない!って人も中にはいますけれども、
そこそこ普通に作れる、っていう人が大半を占めているじゃないですか。
けれどことお菓子(洋菓子)になると様子が違う。
「粉は2回ふるわなきゃだめだ」とか、
「分量は1gも違っちゃダメだ」とか、
「絶対に◯◯しないと失敗する」みたいな、
脅迫にも似た余裕のなさ。。。
それって、台所で受け継がれてきた文化じゃないから。
本を見ながら作り始めたのが始まりだから。
一番大事な「コツ」の書かれていない「作り方」のみのレシピ本を見て、
「なんども失敗した人ができる限りの失敗のリスクを避けた結果」
なんじゃないかと思うんですよね。
なんで失敗したんだろう、そういえば小麦粉5g多かったよな、、、
なんで失敗したんだろう、そういえば粉を2回ふるわなかったからかな、、、
なんで失敗したんだろう、そういえばボールに水滴ついてたよな、、、
そうやって思いつく限りのリスクを避けてるうちに、
技術が上がって失敗しなくなり、
「やっぱり分量をちゃんと計ったら成功した!」
「やっぱり粉を2回ふるったら成功した!」
「やっぱり器具はしっかりきれいなものを使ったら成功した!」
っていう経験がそんな間違った「コツ」を広める原因になったんじゃないのかなー、
なんてことをずーっと考えています。(ちょっとした趣味です。笑)
でもね、本当の失敗の原因は、
ホイッパーの動かし方が下手くそだったからだったり、
ゴムベラの使い方が雑だったからだったり、
作業に時間がかかりすぎて生地の状態が変化してしまったからだったりします。
何度もなんども作ってるうちに、こういう問題って消えていくんですよね。
そして出来るようになるとすっかり忘れる。わはは。
難しいっていうイメージが大手を振って歩いてるお菓子作りだけど、
お料理と一緒で「コツ」をしっかり抑えれば、
初心者だってちゃーんと美味しいケーキが作れるんですよ。
だからこそ教室では、
どこの本にも載っていない、
誰も教えてくれない、
大事な大事な「コツ」を中心に、
あとはひたすらテキトーに!
もっと気楽にクリエイティブに楽しもう!というところを、
一所懸命に伝えてきたのでした。
お菓子作りQ&Aシリーズ、
私の中では一番伝えたいお話でもあるのです。